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「ジャンプスターターはリン酸鉄とリチウムイオン、どっちがいい?」
「リン酸鉄の方が安全って聞くけど、値段が高くても選ぶ意味はある?」
「普通のリチウムイオンではダメ?」
ジャンプスターターを探していると、商品によって「リチウムイオン電池」と「リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4)」が使われていることがあります。
結論からいうと、どちらが全員におすすめというわけではありません。
安全性・長寿命を重視するならリン酸鉄、コンパクトさ・商品数・価格や始動性能の選択肢を重視するなら一般的なリチウムイオンという考え方が分かりやすいです。
ただし、ジャンプスターターとして最も大切なのは電池の種類だけではありません。
自分の車に必要な始動電流・対応排気量・電圧を満たしているかを確認したうえで、電池方式を比較する必要があります。
この記事では、リン酸鉄リチウムイオン電池と一般的なリチウムイオン電池の違いから、どんな人にどちらが向いているのかまで分かりやすく解説します。
リン酸鉄とリチウムイオンの違いは?
まず知っておきたいのが、リン酸鉄リチウムイオン電池もリチウムイオン電池の一種だということです。
ただしジャンプスターターの商品説明では、一般的なリチウムイオン電池と、リン酸鉄リチウムイオン電池を区別して表記しているケースが多いため、この記事でも分かりやすく分けて比較します。
| 比較項目 | リン酸鉄リチウムイオン | 一般的なリチウムイオン |
|---|---|---|
| 熱安定性 | 高い傾向 | 商品による |
| サイクル寿命 | 長い傾向 | 比較的短めの製品もある |
| エネルギー密度 | 低め | 高め |
| 小型・軽量化 | やや不利 | しやすい |
| 商品数 | まだ少なめ | 多い |
| 価格 | 高めの商品が多い | 安価~高価格まで幅広い |
| 始動性能 | 電池方式ではなく商品仕様による | |
特に重要なのが最後です。
リン酸鉄だからエンジン始動性能まで高い、という意味ではありません。
リン酸鉄リチウムイオン電池のメリット
熱安定性が高い
リン酸鉄リチウムイオン電池の大きな特徴が、熱安定性の高さです。
セルスターもLJP-9600について、一般的なリチウムイオンバッテリーと比べて発火・爆発が起こりにくく、安全性の高いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用していると案内しています。
ジャンプスターターは大きな電流を扱う製品なので、安全性を重視したい人にとってはメリットになります。
充放電サイクルが長い製品がある
リン酸鉄は長寿命も特徴のひとつです。
例えばセルスターLJP-9600は、メーカー仕様で充放電サイクル約1000回とされています。
一方、一般的なリチウムイオン電池を採用するカシムラKD-239は、メーカー仕様で充電可能回数約500回です。
ただし、これはあくまでこの2製品の比較です。
「リン酸鉄なら必ず1000回、リチウムイオンなら必ず500回」ではありません。
実際の寿命は製品設計や充電方法、保管温度などによっても変わります。
リン酸鉄リチウムイオン電池のデメリット
小型・軽量化では不利になる場合がある
リン酸鉄は一般的なリチウムイオン電池よりエネルギー密度が低いため、同程度のエネルギーを蓄える場合、本体が大きく・重くなることがあります。
実際の商品を見ると、リン酸鉄を採用するセルスターLJP-9600は9600mAhで本体重量625g。
一方、一般的なリチウムイオン電池を使うカシムラKD-239は12000mAhで約500gです。
ただし本体設計や搭載機能も異なるため、重量差のすべてが電池方式だけによるものではありません。
価格が高めの商品もある
リン酸鉄モデルは、一般的なリチウムイオンタイプと比較すると商品数がまだ少なく、価格も高めになることがあります。
そのため、
- とにかく価格を抑えたい
- 軽自動車1台だけに使う
- 数年ごとに買い替えても構わない
という場合は、一般的なリチウムイオンタイプの方が選択肢は多くなります。
一般的なリチウムイオンジャンプスターターのメリット
商品数が多く選択肢が豊富
現在販売されているジャンプスターターでは、一般的なリチウムイオン電池を採用した商品が多くあります。
そのため、
- 価格
- ピーク電流
- 対応排気量
- 容量mAh
- 本体サイズ
- 空気入れ機能
- モバイルバッテリー機能
など、自分の用途から選びやすいのがメリットです。
小型でも高出力の商品を選びやすい
例えばカシムラKD-239は、一般的なリチウムイオン電池を採用しながら、
- 12000mAh
- 600~1200A
- ガソリン車7.0L以下
- ディーゼル車6.0L以下
- 本体重量約500g
という仕様です。
リン酸鉄だから始動性能が高い、一般的なリチウムイオンだから低い、という関係ではないことが分かります。
実際の商品でリン酸鉄とリチウムイオンを比較
ここでは、リン酸鉄モデルのセルスターLJP-9600と、一般的なリチウムイオンモデルのカシムラKD-239を比較します。
| 項目 | セルスター LJP-9600 | カシムラ KD-239 |
|---|---|---|
| 電池方式 | リン酸鉄リチウムイオン | リチウムイオン |
| 容量 | 9600mAh | 12000mAh |
| 始動電流 | 200A | 600A~ |
| 最大電流 | 400A | 1200A |
| ガソリン車 | 3.0Lまで | 7.0Lまで |
| ディーゼル車 | 2.0Lまで | 6.0Lまで |
| 充放電サイクル | 約1000回 | 約500回 |
| 重量 | 625g | 約500g |
ここから分かるのは、電池方式とジャンプスターターとしての出力性能は別に考える必要があるということです。
LJP-9600は安全性や寿命を重視したリン酸鉄モデル。
KD-239は一般的なリチウムイオン電池を採用しながら、より大排気量まで対応する高出力モデルです。
「リン酸鉄だから全部の性能が上」というわけではありません。
安全性・長寿命を重視するならセルスター LJP-9600
セルスターLJP-9600は、
- リン酸鉄リチウムイオン電池
- 9600mAh
- 始動電流200A
- 最大400A
- ガソリン3.0Lまで
- ディーゼル2.0Lまで
- 充放電サイクル約1000回
という仕様です。
安全性や電池寿命を重視し、一般的な乗用車で使いたい人に比較しやすいモデルです。
対応排気量・出力を重視するならカシムラ KD-239
一方、KD-239は一般的なリチウムイオン方式ですが、ガソリン7.0L・ディーゼル6.0Lまで対応。
家族の複数車種など、幅広い車で使いたい人にはこちらの方が適している場合があります。
リン酸鉄なら夏の車内に置きっぱなしでも大丈夫?
これはNGと考えてください。
リン酸鉄リチウムイオン電池は熱安定性に優れていますが、だからといって炎天下の車内に放置してよいという意味ではありません。
セルスターLJP-9600のメーカー仕様では、
- 使用温度:0~45℃
- 保存温度:0~35℃
とされています。
さらに取扱説明書では、極端な高温・低温・直射日光を避け、特に自動車の車内で保管・放置しないよう案内されています。
つまり、
「リン酸鉄=夏の車内放置OK」ではありません。
ジャンプスターターを車載するときは、必ず購入した製品の保存温度とメーカーの注意事項を確認してください。
リン酸鉄なら発火しない?
これも「絶対に発火しない」と考えるのは危険です。
リン酸鉄は一般的なリチウムイオン系と比較して熱安定性が高いことで知られていますが、バッテリーである以上、
- 高温
- 強い衝撃
- 誤った充電
- ショート
- 故障
などによるリスクがゼロになるわけではありません。
セルスターもLJP-9600について、加熱・高温放置・破損などを避けるよう注意しています。
「発火しない」ではなく、一般的なリチウムイオン電池と比べて熱安定性に優れると理解する方が正確です。
長期間保管するならリン酸鉄の方がいい?
寿命を重視するなら、リン酸鉄は魅力的な選択肢です。
ただし、ジャンプスターターは買ったまま何年も放置する製品ではありません。
リン酸鉄でも定期的な残量確認は必要
セルスターLJP-9600も、2~3ヶ月を目安に定期的な充電を行うようメーカーが案内しています。
長期間保管する場合は70~80%程度の充電状態で、風通しのよい涼しい場所で保管することも推奨されています。
リン酸鉄だから完全にメンテナンス不要、というわけではありません。
軽自動車ならリン酸鉄とリチウムイオンどっち?
軽自動車だけで使うのであれば、電池方式よりも対応車種・価格・本体サイズを重視してもよいでしょう。
一般的な660ccガソリン軽自動車なら、リン酸鉄モデル・一般的なリチウムイオンモデルのどちらにも対応商品があります。
軽自動車だけなら大容量・高出力は必須ではない
軽自動車の場合、「リン酸鉄だから選ぶ」「2000Aだから選ぶ」と決めるのではなく、自分の車がメーカーの対応範囲内に入っているか確認してください。
軽自動車向けのA数についてはこちらで詳しく解説しています。
▶ 軽自動車のジャンプスターターは何A必要?選び方とおすすめ商品を解説
リン酸鉄がおすすめな人
- 電池の熱安定性を重視したい
- 長く使いたい
- 充放電サイクルを重視したい
- 多少価格が高くても安全性を重視したい
- メーカーの仕様が明確な商品を選びたい
こうした人なら、リン酸鉄リチウムイオンを採用したモデルを比較する価値があります。
リン酸鉄モデルの候補
セルスター LJP-9600は、国内メーカーのリン酸鉄ジャンプスターターとして比較しやすい商品です。
一般的なリチウムイオンがおすすめな人
- 価格を抑えたい
- 商品を多く比較したい
- 高出力モデルを探している
- 小型・軽量モデルが欲しい
- 空気入れなど多機能モデルも比較したい
一般的なリチウムイオンタイプは商品数が多いため、価格・出力・サイズなどから選びやすいのがメリットです。
対応排気量を重視するなら
電池方式より先に確認したいこと
ジャンプスターターを選ぶときは、リン酸鉄かリチウムイオンかを見る前に、次の順番で確認するのがおすすめです。
1.12V・24V
まず自分の車両電圧に対応しているか確認します。
2.ガソリン・ディーゼル
燃料方式によって対応排気量が異なります。
3.対応排気量
自分の車がメーカー公表範囲に入っているか確認します。
4.始動電流・ピーク電流
ジャンプスターターとして必要な性能を確認します。
5.電池方式
そのうえで、安全性・寿命・サイズ・価格などからリン酸鉄か一般的なリチウムイオンかを比較します。
6.保証・安全機能
逆接続・短絡・過電流などの保護機能やメーカー保証も確認しましょう。
容量やA数だけでも選ばない
これまでの記事でも解説した通り、ジャンプスターターはひとつの数字だけで選ぶと失敗しやすい商品です。
容量について詳しく知りたい場合はこちら。
▶ ジャンプスターターは10000mAhと20000mAhどっち?容量の違いと選び方を解説
安いモデルと1万円前後の商品を比較したい場合はこちら。
▶ 安いジャンプスターターでも大丈夫?5,000円台と1万円前後の違いを解説
ジャンプスターターはどこで買える?
リン酸鉄・一般的なリチウムイオンのどちらも、Amazonや楽天市場、カー用品店などで購入できます。
実店舗と通販の違いについてはこちらの記事でまとめています。
▶ ジャンプスターターはどこで売ってる?オートバックス・ホームセンター・ドンキなど販売店を調査
まとめ|安全性・寿命ならリン酸鉄、選択肢の多さならリチウムイオン
ジャンプスターターのリン酸鉄リチウムイオンと一般的なリチウムイオンには、それぞれ特徴があります。
リン酸鉄リチウムイオン
- 熱安定性が高い傾向
- 長寿命の商品がある
- 安全性を重視しやすい
- 価格は高めになりやすい
- 商品数はまだ少なめ
一般的なリチウムイオン
- 商品数が多い
- 価格帯が幅広い
- 小型・軽量商品を選びやすい
- 大排気量対応モデルも多い
ただし、最も重要なのは電池の種類ではなく、自分の車にジャンプスタートできる性能を持っていることです。
まず対応電圧・対応排気量・始動性能を確認し、その条件を満たした商品の中から電池方式を比較しましょう。


